皆さんこんにちは!
Vocal Studio 802 代表講師の井田幸乃です。
皆さんは、発声練習や歌う時以外の、日常生活での声に意識を向けたことはありますか?
私たちには「必要な時に必要な声を出す」能力が最初から備わっています。
例えばこんなシチュエーション。
・小さな子供が道路に飛び出そうとした時。
・部活で校庭の向こう側にいる仲間を呼ぶ時。
・可笑しくて大爆笑する時。
・驚きの知らせに思わず「まじで!?」と言ってしまう時。
・応援しているサッカーチームのゴールが決まりそうな時。
・声を上げて泣く時。
・G(キッチンに出る害虫)がこっちに向かって飛んできた時。
驚いたり、気持ちが高揚した時に咄嗟に出る声って、
楽に高音出たりしませんか?
そしてその声が出てる時って、喉が力んだり、締まったり、してなくないですか?
「歌うぞ!」
「高音だすぞ!」
皮肉にも、そういう意識が過剰になった時に、自然な声を出す能力を
「オフにするスイッチ」が入ります。
頑張って歌おうとすればするほど、不要な力みが生じる。
頑張って正しい歌唱を目指すほど、不自然になっていく。
頑張るところはそこじゃない。
自然な自分の能力に気づくこと。
歌う時にもそんな自分を呼び起こすこと。
自然な自分を解放すること。
ある声の専門家の先生が
「発声関与筋は、進化の途中だ」
とお話しされていたことがあります。
現在では、人によって、筋肉の数すら違うとのこと。
でも私は、これ以上進化しないと思っています。
進化する必要もないと思っています。
発声関与筋は、半随意筋と言われていて、
「意識的に動かせないけれど、努力次第で動かせる」というイメージ。
(随意筋=意識的に動かせる。手足、指など。不随意筋=無意識で動く。呼吸筋など。)
もしも発声関与筋が随意筋で自由に動かせるものになってしまったら、
器用に歌える代わりに、その人の人間性や本当の気持ちが見えなくなって、
感情が伝わらなくなると思うのです。
声の筋肉なんて、器用に動かせないからこそ思いが伝わるんです。
半随意筋であることにちゃんと意味がある。
少し話が逸れましたが、
歌唱力を上げる為に必要なことは、
自分がいかに自然に良い声を出せているかを知ることです。
それが「自分の本当の声を磨き上げる」ための第一歩。
それでは皆さん、良い1日を!