皆さんこんにちは!
Vocal Studio 802では、レッスン初期でベルティングボイス(高音を地声の響きで力強く歌うこと)を習得します。
ベルティングボイス習得期は基礎発声の構築期です。ここで声帯を伸ばす筋肉と閉じる筋肉、そして喉を開く筋肉を徹底的に鍛え、同時に不要な力みを取り除いていきます。
ベルティングボイスを習得しているフェーズでは、時々こんな風に仰る生徒様がいらっしゃいます。
「この声、聴いていて不快じゃないですか?」
「この声じゃライブで歌えません」
そうですね。その気持ち、よくわかります。
正直に申し上げますと、この声、ベルティングボイス「だけ」で「ライブで聴かせる歌」を完成させるのは難しいかもしれません。
発声の基礎を整える初期段階では、特にライブの予定があったりする人にとっては苦しい時期だと思います。
初期段階のベルティングボイスは、「デカくて」「感情的で」「叫んでいるような」…一般的に言えばかなりうるさい声ですね。しかも習得途中で安定しない。
そんな声を出しながら、基礎の基礎を整えます。
基礎とは、木であれば根っこです。根のない木は枝をつけられませんよね。
根っことなる基礎発声を飛び越えて、ミックスボイスやリズムや発音といった枝の部分を習得しようとしても、結局の基礎のことで永遠に悩み続けることになります。
もしもあなたが、今まで一生懸命努力をしてきたのに、歌唱や発声の悩みが解消しないと言うのであれば、それは才能の有無ではなく、基礎が整っていないだけかもしれません。
まずはしっかりと、基礎を整えることです。
今までのやり方を捨てて、1から基本と向き合う時期は、辛いかもしれません。感覚を掴んでも、身体に定着して安定するまでのタイムラグもあるでしょう。
ですが、ここでしっかり基礎筋力をつけることで、多種多様なミックスボイス習得に繋げることができます。多くの人は、この自由なミックスボイスを欲していますが、ミックスボイスでは基本となる声帯の運動「伸ばす」「閉じる」ができた上で、「適度に開く」という微調整の筋力が必要となる為、安定してコントロールできるミックスボイスを手に入れるためにはまず基礎筋力をしっかり養うことが重要です。
汚くてうるさい声。感情的で不快な声。初期段階ではそうかもしれません。
だけど、この泥まみれの声の向こうに、自由な虹色の声があるということを是非覚えておいてくださいね。