こんにちは!
Vocal Studio 802 Yukinoです。
今日は、「良い」「悪い」の概念がいかに声や歌唱に影響を与えているかを書きたいと思います。
私たちは少なからず「良いこと」と「悪いこと」が存在すると信じて生きています。
例えば、
周りの人に親切にすること=良い
人前で不機嫌な態度を出すこと=悪い
恵まれない子供達のために寄付すること=良い
電車の中で大声でお喋りすること=悪い
という具合に。
この「良い悪い」という概念って実は、
「他の誰か」「社会」があって初めて有効になるものなんですね。
「良い悪い」という概念があるからこそ、
世の中の秩序が保たれているわけです。
ですが、この「良い悪い」に支配されるあまり、
歌が自由に歌えないという現実があります。
「良い悪い」という思考に声を制限されている人を多く見てきましたし、
つい最近も、受講生の一人が同じ問題に直面したばかりです。
声を開発していく中で、感情と声の間にあるブロックを外すために、
敢えて叫んだり、子供のような声を出したりすることがあります。
その時、「感情を露わにすることが悪い」という思い込みがある人は、
独りの時でさえ、「感情剥き出しで叫ぶ」ことが難しいし、
「はしゃいで大声を出すことは悪い」という思い込みがある人は、
「キャーキャーはしゃぎ声を出す」ことが難しい。
「○○は悪い」という思い込みが強ければ強いほど、
それを行うことに強い罪悪感があるし、
無意識に「それやっちゃダメ!」と脳が体にストップをかけてきます。
歌を自由に歌えるようになるには、この「○○は悪い」という概念を手放すことが必要となります。
「怒るのはみっともない」
「自己中は良くない」
「働かないなんてダメなやつ」
「裏声に返したらダメ」
「地声を張り上げたらうるさい」
「声がひっくり返ったらいけない」
「音程が合ってなきゃ歌手とは言えない」
これらは全部嘘です。
何を考えたって、
何を語ったって、
何をどう歌ったっていいんです。
良い子でいることは時に、
本当の自分を殺します。
本当の自分を掘り下げて行った時に、
そこに良い悪いはないはずです。
ただ自分の感情がある。
それを出す。
そうして初めて自分の本当の声に出会うことができる。
書くのは簡単ですが、
本当の自分の心を見つけ出すのは簡単じゃありません。
「悪い」と認識していることが潜んでいる場合がほとんどですし、
それを願望として抱えている自分自身を認められないことも多いです。
自由な歌声を手に入れたいと思っている人はぜひ、
このワークをやってみてください。
誰の目も気にならない場所(スタジオやカラオケ、防音の部屋など)で独り、
「こんなこと言ったらマズイよな」
「こんな声出したらヤバイよね」
ということを、敢えて声にする。
直近でイライラしたこと、怒ったことを思い出して、
「本当はこう怒鳴りつけてやりたかった」
「でもそれやっちゃおしまいだよな」
と思うことをやるんです。
怒りに任せて「バカヤロー!!!いい加減にしろー!!!」」とかね。
自分でも驚くような声が出るはずです。
出したことのない高音が出ることもあるでしょう。
それが自分の中に潜むリアルな感情=声。
汚い声かもしれないけど、それが本当の声を磨くための第一歩です。
それでは皆さん、
今日も良い1日を!