皆さんこんにちは！
Vocal Studio 802 代表 Yukinoです。
生徒さんからよくある質問にお答えしようと思います。
今日は、以前某有劇団にてお稽古を受けていたMさんからのご質問。
「先生は『発音はテキトーで良いです』と仰いますが、発音がテキトーで良いってことありますか？以前通っていた所では『はっきり発音しなさい』と指導されていました」
Mさんは、某有名劇団で指導されたことと真逆の指導をされ、戸惑っているようですね。
しかも「テキトー」ってなんだと。笑
ええ、とってもわかります。
「はっきり発音すること」が大事であることは、全く否定しません。言葉は「伝える」ための重要なツールですから、発音が聴き取りやすいに越したことはありません。ですから、はっきり発音することは、私も賛成です。
ですが、忘れないでいただきたいのが、習得には順番がとにかく大事！ということです。
歌唱力の向上において、発音の前にやるべきこと、
それは「発声」です。
どの音域でも、ブレない発声力を持つことがまずは最初にやるべきこと。
発声力とは、声帯を閉鎖したり、伸長させたり、という基礎筋力のこと。
発声力が安定していないうちに、「口を大きく開けてはっきり発音する」ことにフォーカスしてしまうと、口の動きに、発声に関与する筋肉が引っ張られて、声帯の閉鎖や伸長に支障をきたすんです。
特に、日本語は鼻にかかりやすく口先で発音するという特徴があり、小さな声でも伝わりやすいというメリットがある代わりに、大きな声でダイナミックに歌おうとした時に、喉の締まりを誘発しやすくなります。
ブレない発声力をがあれば、いくら口を動かしても問題ありません。そうなれば、発音を磨き、より美しく伝わりやすい歌唱が目指せることは間違いないでしょう。
ただし！
何度も言いますが！
順番が大事なんです！！！！
はっきり発音して上手く歌えないということは、そもそも発声の筋力が弱い、発声の基礎が整っていない、ということです。
発音は、発声に関与する筋肉に大きな影響を与えることは、恐らくMさんも経験則で気が付いているのではないでしょうか。イは出しにくい、オだと息っぽくなる、ウだと喉がしまる…等々。
高音域や歌唱で悩んでいる現時点でやるべきことは、発音に邪魔されない発声力を身につけることです。
まずはご自身の現在地を謙虚に受け入れて、発声の基礎構築に注力することに集中してください。
大丈夫。
必ずブレない発声力が身に付きます。
一緒に頑張っていきましょう！
