• 『声心体一致のボイストレーニング。 ベルティングボイス&ミックスボイス習得で自分らしく自由な歌声を!』

    皆さんこんにちは!

    Vocal Studio 802 代表 Yukino です。

    今日はこんなご質問をいただきました。

    音楽活動を始めて間もないHさんから。

    「音楽活動のコンサルの先生に『目の前にいる人のために歌いなさい』と言われるんですが、人のために歌うという感覚がわかりません。正直なところ、私は自分を観て欲しいと言う気持ちが強く、歌うことでみんながチヤホヤしてくれること、褒めてくれることが嬉しいんです。歌うことは楽しくて大好きですが、こんな自分には人前で歌う資格ないのかな、と落ち込んでいます。人のために歌えるようになるにはどうしたら良いですか?」

    ご質問ありがとうございます。

    Hさんは、ご自身とよく向き合われていると思います。多くの人は、自分の本当の欲求にすら気づかないで生きていますから。素晴らしいことだと思います。

    さて、ご質問への解答ですが、今のHさんの歌う原動力が「歌うことでチヤホヤしてもらいたい、褒めてもらいたい」であること、大いに支持します。

    人間の欲求というものは、元々そんなに高尚なものではないと思うのです。バンドマンになった最初の理由が「モテたいから」だというのはよく聞く話です。

    大切なのは、どんな欲求であろうと、それを満たすためにひたむきに努力することです。

    本来、欲求に「良い」も「悪い」もありません。

    マズローの欲求5段階説をご存知でしょうか。

    人間の欲求には「生理的欲求」「安全欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」という階層があり、低次元の基本的な欲求が満たされることで、次の欲求が行動を支配するというものです。

    つまり、今ある欲求が満たされてこそ、次の次元の欲求が生まれ出るのです。

    Hさんの例で言いますと、今ある「チヤホヤされたい」という承認欲求をちゃんと満たしてあげない限りは、コンサルの先生がおっしゃる「目の前の人のために」という次元には到達できない、ということです。

    口では「皆さんのために歌います」とはいくらでも言えますが、声にはその人の本心が表れます。ですから、無理に誰かのために歌おうとしても、Hさんの本心とは違うわけですから、リスナーには違和感として伝わるわけですね。

    そんなことをするよりも、今あるHさんの本当の欲求を満たすために、一生懸命歌を練習し、精一杯パフォーマンスをすることが大切なのではないでしょうか。

    目的は何であれ、大好きな歌で自分の欲しいものを全力で取りに行く姿は、多くの人に勇気を与えるに違いありません。

    今のHさんの素直な欲求に従って、全力で満たしてあげてください。そうこうしているうちに、新しい世界が見えてくるのではないかと思います。

    心から応援しています。